Customer Logins
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Customer Logins導入事例 – アドトラン社
RoHS対応をきっかけに世界中の環境規制に対応するための仕組みづくりを開始
アドトラン社(ADTRAN, Inc)は米国アラバマ州ハンツビルに本社をおくネットワーク通信機器を製造しているグローバル企業である。ネットワークサービスプロバイダーや政府機関はもちろん中小企業から大企業に至るまで世界中のユーザーがアドトラン製品を使った高速通信を利用している。
これらの製品の多くは欧州市場でも広く利用されており、このためRoHS対応をきっかけに世界中の環境規制に対応するための仕組みづくりに取り組んだという。具体的なプロジェクトの内容についてアドトランの環境コンプライアンスマネージャー アラン・アター氏に詳しく伺った。
まず業務内容について、お聞かせ下さい。
私たちアドトランは1,400種類もの高速通信機器製品を製造しているネットワーク通信機器メーカーです。米国や欧州をはじめ世界中に高速通信機器を提供しています。
私が所属する部門ではRoHSやWEEEのような製品に関する環境規制コンプライアンスを担当しています。
なぜRoHS対応のために情報システムを構築しようとされたのですか?
2006年7月1日に欧州で施行されたRoHS指令は電子機器を対象に適用された最初の環境規制といえるものです。現在では多くの国々で同様の環境規制の施行がはじまっています。またこれから施行しようとしている国も増えています。こういった環境規制は製造業者にとっては積極的に取り組んでいかなければならない課題のひとつとなっています。
このためRoHS対応だけではなく世界中のこのような環境規制に対応できる仕組みづくりをしなければならなかったのです。それに加えてこのような情報は環境部門や購買部門だけで使用されるべきものではないので営業部門から開発・設計部門、カスタマーサポート部門も含めて世界中の拠点で共有できるものでなければならないと考えました。
まずはどのようなことからプロジェクトを開始されたのですか?
まずは早急に対応しなければならなかった欧州マーケット向けの製品から開始しました。主力となっている150製品とRoHS対応期限までに新規投入予定だった20製品から調査を開始しました。
これらの製品は6,500もの部品から構成されており、この中にはASICのような代替品を探すにはかなり慎重な調査が必要なものもありました。そこでまずパイロットプログラムとして1,000部品の調査から自社の人員を使って開始したのです。基本データとして次のようなデータの収集をはじめました
- リードフリーへの対応状況
- オリジナルメーカーまたは代替メーカーからコンプライアンスに対応した代替品が入手可能かどうか
- コンプライアンス関連文書
- 有害規制物質名、含有量
なぜ自社でデータ収集を行わないで、アウトソースを選択したのですか?
実はこのパイロットプログラムをやってみてわかったのですが、残りの部品の調査に関して、新しいコンポーネントエンジニアを採用してトレーニングまで行うとデータ収集完了に9-12ヶ月はかかるという計算になってしまったのです。これではデッドラインまでに対応部品の入手ができなくなる恐れがありました。
プロジェクトの遅延を避けるためにデータ収集作業をアウトソーシングする必要性がでてきたのです。おかげでデータ収集作業に割り当てていたスタッフを仕組みづくりの方の作業にまわすことができました。
ではなぜIHS Markitを選択したのですか?
実はIHSMarkitの環境データ収集サービスを使ったことがある他の会社の方から事前に話を聞いたことがあるんです。その方からデータの品質の高さや納品スケジュールや価格の妥当性のことを聞いていたこともあってIHS Markitに依頼しました。
具体的に、IHS Markitにどのようなことを依頼されたのですか?
IHS Markitには初期段階での6,500パーツのデータ収集を6ヶ月で完了するように依頼しました。具体的には次のような内容です。
- 主要な500部品については4-5週間で完了する
- 500-2000部品で構成される8つのグループは10-12週間で完了する
- 次の環境データを取得する。
- RoHSスタータス(Yes/No値)
- RoHS対応代替品
- 最高プロセス温度
- 湿度感知レベル(MSL)
- すず/鉛はんだ互換
- ターミナル・プレーティング・フィニッシュ
- 規制物質の濃度レベル
- RoHS規制対象物質の含有量
- プロダクトライフサイクルステージ
- 証明書
- データシート
更にプロジェクト期間中、データシートの収集とERPシステムへのリモートでのデータ入力作業も追加で依頼しました。
具体的に、IHS Markitにアウトソースしてどのようなメリットがありましたか?
結果的に90パーセント以上の成功率で、RoHS対応部品や代替品の確認作業をしてくれました。もちろんデータ収集の納期も間に合いました。
現在アドトランでは例外対象の製品もありますが、基本的にすべての製品が既にRoHS対応済みとなっています。また他国でのRoHSのような環境規制に対応するための全社的なITシステムを含めた仕組みを持つことができるようになりました。
このようなプロジェクトの初期段階の活動をアウトソースしたことにより、多くの費用と時間を節約することができました。それにより効率よくこのような仕組みつくりをすることができたのだと思っています。おかげで各地の拠点からの要望に基づいて製品生産スケジュールに間に合わせることができました。